2008年 03月 10日

ピアノ炎上 増穂浦

ピアノ炎上 増穂浦_c0035318_22232684.jpg



 山下洋輔のピアノ炎上。30年前ほど前にもあって、その様子を収録した粟津潔のビデオ作品が21世紀美術館で展示されている。防火服の山下洋輔が演奏するピアノから煙が出現し、だんだん炎となり燃え広がってゆく。弦が切れるのか音の出ない鍵が増えてゆく。やがてほとんどの音が出なくなり鍵盤をたたく音だけになる。燃え広がりピアノから離れ崩れゆくピアノを見守る・・。
 ピアノを燃やすなんて乱暴ではないかと最初は思ったが、何十年と使い古し廃却するのみというピアノを追悼する、というのが主旨。
 今回、能登半島の増穂浦で「2008 ピアノ炎上」があるという。アバンギャルドには疎い奥さんもめずらしく見たいというので出かけて行った。天気は最高、夕暮れ時、炎上もいいが山下洋輔の演奏を楽しみにして行ったが、演奏開始後の火の回りが速すぎたせいで、演奏は3~4分程度で終了、その後は炎のピアノを見守るのみとなった。夕暮れの波の音の中、パチパチと燃える音、部品が燃え落ちる音、とか不思議な情景が展開。
 こんな状況はなかなか体験できないのでは。アートを堪能したような気がしました。

 (演奏中の撮影は禁止されたため山下洋輔演奏入りの写真はありません。)  

 '08.03.08

by yayoigaoka | 2008-03-10 23:51 | 金沢へ | Comments(2)
Commented by kouseramu at 2008-03-11 18:23
中日新聞に、この「ピアノ炎上」の記事載っていて興味深く読んでました。(懐かしい!!)山下洋輔が宇宙服のようなを着て演奏してる写真でした。まるでアポロ11号で月着陸したときのような。

yayoigaokaさん、あの現場いたのですね。流石です。
いやー夕暮れの能登の浜辺でのピアノ炎上!!素晴らしい。ピアノが能登の風景の中で燃え消失していく。そして、原始・海に戻る。切なく悲しい。能登の夕暮れ時の浜辺、ベストマッチですね。

この写真を見て、十年前くらいに観た「ピアノレッスン」という映画を思い出しました。

でも、なぜ能登だったんだろう?志賀町増穂浦。海人の地ではないか?
Commented by yayoigaoka at 2008-03-12 02:05 x
山下洋輔は消化班として待機していた消防士と同じ防火服と消防ヘルメットをかぶり少しユーモラス。志賀町増穂浦はビデオ作品の作者の粟津潔の生まれ故郷で、トンネルの入り口の絵とか、モニュメントとか町のあちこちに粟津潔の作品があるそうです。
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